子供の頃に見たテレビ番組で、今でも妙に覚えているものがあります。
番組と言っていいのかも分かりません。
たぶん、小学校に上がる前だったと思います。
風邪をひいて幼稚園を休んだ日の昼間でした。
母は買い物に出ていて、私は一人でテレビを見ていました。
チャンネルを変えていると、変な映像が流れていました。
真っ白な部屋に、人形が三体並んでいました。
人形といっても、手に持つようなものではありません。
子供と同じくらいの大きさだったと思います。
頭が丸くて、胴体があって、手足がある。
顔には目と口らしきものがありましたが、細かいところまでは覚えていません。
怖い顔ではなかったはずです。
むしろ、子供向けの教材に出てきそうな、単純な顔でした。
三体は横一列に並んでいました。
音楽が流れると、三体が同じ動きをします。
右手を上げる。
下ろす。
左を向く。
両手を広げる。
元に戻る。
それを何度も繰り返していました。
歌はありません。
誰かが喋ることもありません。
明るい音楽だけが流れていました。
最初は何となく見ていました。
でも、途中から右端の人形がおかしくなりました。
一体だけ、動きが少し遅れるんです。
他の二体が右手を上げてから、少し遅れて右手を上げる。
他の二体が左を向いているのに、右端だけ正面を向いたまま。
次の動きでは、また三体が揃う。
最初は、壊れているのかなと思いました。
でも、同じ体操が繰り返されるたびに、少しずつおかしくなっていきました。
特に覚えているのが、顔です。
右端の人形だけ、少しずつこちらを向いていました。
他の二体と同じ動きをしながら、頭の向きだけが少しずつカメラの方へずれていくんです。
一回では、ほとんど分かりません。
でも、同じ体操が何度も繰り返されるうちに、明らかに最初とは向きが違っていました。
私は怖くなって、テレビを消しました。
それだけの記憶です。
その後、同じ映像を見ることはありませんでした。
子供の頃は、ときどき思い出していました。
でも、中学生、高校生と大きくなるにつれて、ほとんど思い出さなくなりました。
夢だったのかもしれない。
別々の番組の記憶が混ざったのかもしれない。
子供の頃の記憶なんて、そんなものだと思っていました。
数年前、ふとあの映像を思い出しました。
きっかけは覚えていません。
急に、あの白い部屋と三体の人形が頭に浮かんだんです。
今ならネットで調べられると思いました。
「人形 三体 子供番組」
「白い部屋 人形 体操」
「昔の教育番組 人形」
思いつく言葉をいろいろ入れて検索しました。
番組名が分からないので、なかなか見つかりませんでした。
それでもかなり探しているうちに、昔のテレビ番組について話している掲示板の古い書き込みにたどり着きました。
十年以上前の書き込みでした。
そこに、こんな質問がありました。
「昔、白い背景で人形が体操する番組ありませんでしたか? セリフはなくて、音楽だけだった気がします」
読んだ瞬間、これだと思いました。
返信もいくつかありました。
平日の昼間に見た。
短い子供向け番組だった。
人形が音楽に合わせて、同じ動きを何度も繰り返していた。
細かいところは違いましたが、私の記憶とよく似ていました。
やっぱり実在したんだ。
少し嬉しくなりました。
ただ、一つだけ違いました。
人形は二体だった。
書き込んでいる人は、みんなそう言っていました。
二体の人形が横に並んで、同じ体操をする番組だった、と。
三体だったと書いている人は、一人もいませんでした。
私はしばらく画面を見ていました。
記憶違いなのかもしれません。
二体だったものを、なぜか三体だったと思い込んでいるだけなのかもしれない。
二十年以上前のことです。
それなら、それでいいんです。
ただ、どうしても分からないことがあります。
私は、二体の人形についてはほとんど何も覚えていません。
どんな顔だったのか。
何色だったのか。
どちらがどんな動きをしていたのか。
もう思い出せません。
なのに、いなかったはずの三体目だけは覚えています。
右端に立っていました。
他の二体より少し背が高かった気がします。
動きが少し遅くて、同じ体操を繰り返すたびに、少しずつこちらを向いてきました。
最後には、ほとんど正面を向いていました。
私はそこでテレビを消しました。
あれから一度も、あの映像を見ていません。
番組名も分かりません。
映像も見つかりません。
同じ番組を覚えている人はいるのに、三体目を覚えている人だけがいません。
だから今でも、ときどき考えます。
あの日、テレビに映っていたあれは、
いったい何だったんでしょうか。
制作情報
生成AI:ChatGPT
モデル:GPT-5.6 Sol
制作:2026年9月
カテゴリー:怪異・幽霊
タグ:ChatGPT
※本作品は生成AIによって制作されたフィクションです。
