今の部屋に引っ越して半年くらい経ったころ、夜になると話し声が聞こえるようになりました。
最初は隣の部屋だと思っていました。
古いマンションなので、壁はそれほど厚くありません。
テレビを消して静かにしていると、ときどき人が話しているような声が聞こえます。
男と女の声でした。
ただ、何を話しているのかまでは分かりませんでした。
ある晩、ベッドでスマホを見ていると、また声がしました。
その日はいつもよりはっきり聞こえました。
壁ではなく、部屋の上の方から聞こえます。
音をたどってみると、換気口でした。
私はベッドから起きて、換気口の近くまで行きました。
「まだ気づいてないよね」
女の声でした。
少しして、男が答えました。
「たぶん」
「じゃあ、まだ言わない方がいい?」
「その方がいいんじゃない」
誰の話をしているのかは分かりませんでした。
隣の住人の話だろうと思って、その日は寝ました。
それから、二人の会話が気になるようになりました。
毎日ではありません。
二、三日に一度くらい。
決まって夜遅く、換気口から聞こえてきます。
「今日も普通だった?」
「うん」
「何も気づいてない?」
「全然」
そんな会話ばかりでした。
聞いていて気持ちのいいものではありませんでした。
誰かに隠し事をしているようでした。
ある日、残業で帰宅が十時を過ぎました。
シャワーを浴びて、冷蔵庫からビールを出したときです。
また声がしました。
「帰ってきた?」
「うん」
「何時?」
「十時ちょっと過ぎ」
手が止まりました。
時計を見ると、十時十八分でした。
換気口を見上げました。
「今日も遅かったね」
女が言いました。
「最近ずっとそうだよ」
私はビールをテーブルに置きました。
偶然だと思いました。
十時過ぎに帰宅する人なんて、いくらでもいます。
でも、その夜は気になって、換気口の近くに座って会話を聞いていました。
しばらくすると、女が言いました。
「今日も一緒だった?」
男が答えました。
「うん」
「会社のときも?」
「ずっと」
「本人は?」
「全然気づいてない」
そこで会話が終わりました。
意味が分かりませんでした。
誰が、誰と一緒だったのか。
それから数日、声は聞こえませんでした。
聞こえないなら聞こえないで、余計に気になりました。
私は夜になるとテレビの音を小さくして、換気口を気にするようになりました。
五日目の夜。
布団に入ろうとしたところで、声がしました。
すぐに換気口の下へ行きました。
「もう教えた方がいいんじゃない?」
女の声でした。
「やめた方がいいよ」
「でも、ずっとこのまま?」
「本人が気づくまででいいだろ」
「気づくかな」
「分からない」
私は換気口の真下に立っていました。
心臓が速くなっていました。
やっぱり、私のことを話している。
そう思いました。
女が言いました。
「でもさ」
少し間がありました。
「聞こえてるんでしょ?」
息を止めました。
二人とも、それきり何も言いません。
私は動けませんでした。
こちらから何か言うべきなのか。
それとも、聞かなかったふりをするべきなのか。
しばらくして、男の声がしました。
「じゃあ、本人に聞いてみれば」
「何を?」
「今日もいるかどうか」
また沈黙しました。
それから女が言いました。
「分かった」
少し間を置いて、
「ねえ」
と呼びかけてきました。
私は返事をしませんでした。
女は続けました。
「今日も、後ろにいるの?」
私は振り返りませんでした。
換気口の向こうも静かでした。
十秒くらい経ったと思います。
そのとき、
「いるよ」
と、
私のすぐ後ろで、男の声がしました。
制作情報
生成AI:ChatGPT
モデル:GPT-5.6 Sol
制作:2026年9月
カテゴリー:怪異・幽霊
タグ:ChatGPT
※本作品は生成AIによって制作されたフィクションです。

